【農業日記】農園の今(その2:平成27年度の米作り スタート)


農園の周りは田圃に囲まれています。水路に水が流れ始めて、一斉にカエルがケロケロと嬉しそうに鳴き始めました。いよいよ平成27年の米作りがスタートです。

ユニティ自然農園、米作り初挑戦の栽培品種は、

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(写真の出典」Wikipedia)

美味しいことで定評があり、地域(東広島市福富町)で広く栽培されている「コシヒカリ」に決めました。

品種についてはいろんな選択肢があって、初めてだから作りやすい品種をとか、自然栽培に適した原種に近いものをとか、あれこれ考えているうちに春が来て待ったなしの状況のなか、「美味しい」という最大の美点で決めてしまったというのが実際のところ。
(昨年頂いた新米コシヒカリが、ツヤツヤ&もちもちで非常に美味しかった)

そして選んだ後で改めて考えると、福富町で有機農法/自然農法を続けていくのに、地域になじんた品種を栽培することに意味があると思いました。
地域の人から「品種は何を植えるの?」と聞かれて「コシヒカリ」と答えると、なぜか安心されるような感じがします。無農薬とか緑肥栽培とか変わったことばかりするので、ちょうどいいバランスなのかもしれません。

↓緑肥(10月に撒いたマメ科ヘアリーベッチ)とたくさんの雑草で青々としたユニティの田圃。周りの田圃はトラクターで耕されてすっきり。
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過去に少しの水稲の栽培経験はありますが、自分自身で全て計画・実行するのは初めてです。
必要な事を勉強しながら丁寧に栽培して、秋には美味しい新米を販売したいと思っています。


さあ、ユニティ自然農園の初めての米作りのスタートです。

4月6日、種籾の選抜(塩水選)と温湯消毒をしました。

1)塩水選:塩水に種籾を入れて軽い籾を浮かせ、塩水でも沈んだ中身の充実している籾を選ぶ。

  塩水の濃さはネットで調べると人によって幾分違いますが、標準的な比重1.13にするためには10リットルの水に塩2.2kg! 塩2袋+α! 山のような塩の量に驚きました!とても溶けるとは思えない塩の山を、お湯を加減しながらなんとか溶かしました。
 濃度の指標は、 卵が浮いて横になって、500円玉の大きさほどが水面から出るぐらいです。

↓卵の浮き具合からすると気持ち塩が少ないか?(作業場所は自宅の台所)
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上写真のバケツの中にザルを入れてその上にバサッと籾を入れて浮いた籾を取り除きます。
およそ1割の籾が浮きましたが、沈んだ籾は4.5kg。必要量はしっかり残りましたのでOK。
↓浮かんだので取り除いた籾。
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2)温湯消毒:種籾についているかもしれない病原菌やカビ菌をお湯で消毒。

↓60℃の湯に浸けて10分。
(台所で作業したので湯沸かし器からの給湯で楽々60℃をキープ)
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次は種籾に吸水させて発芽の準備を整える「浸種」という段階です。
米作りの本を数冊読んだところ、長い期間(その本によると1ヶ月)吸水させた方が発芽が揃うという記述があり、「最終的に30度とか温度を上げて発芽させるのだから、浸種期間は長い方がいいんだ。」と簡単に考えて、一旦、籾を水に浸けて浸種開始しました。

大仕事が終わって落ち着いたところで、ふと浸種についてネットで調べると、「水温によっては数日で発芽が始まる」!?とあり、納得できる情報を探したところ、
積算温度100℃日(1日の平均水温10℃で10〜14日間、もしくは、15℃で7日間)
というのが標準的な条件らしいことが分かりました。
先の本の情報は、福島の農家(米作りで有名な方なのですが)で3〜5℃とかの極低温での話しらしい。
で、これはいかんと種籾を引き上げていったん陰干しして、仕切り直しをすることにしました。

そして後々のスケジュールも考えて、4月15日に浸種開始。最近の気温・水温の条件から期間を10日〜14日と決めました。

3)浸種開始(4月15日)

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 浸種には、比較的低い温度で安定している自宅ログハウスの床下を使うことにしました。このころの床下温度は11℃前後でほぼ一定しています。浸種期間は12〜14日間ぐらいと予測しました。

籾に酸素を送るためにテネモスの空気清浄器を使って ブクブクさせています。

次は、種籾が充分に吸水したころを見計らって、「催芽(温度を上げて一斉に発芽させる作業)」、そして「種蒔き」です。

参考資料:
1)水稲温湯消毒種子取扱マニュアル(JA北ひびき)
2)平坦部水稲「ヒノヒカリ」の良質苗生産のための浸種および催芽方法(奈良県)