【農業日記】今期の反省 〜サツマイモの出来は苗で決まる〜


先日試し掘りをしたサツマイモ、全掘りしました。

・・・・・・・・これで全部。
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収穫は合計で30kgぐらい。コンテナ1杯ほど。

実は長さ25mの畝に植え付けた苗(品種「紅はるか」)のほとんどが日照りで枯れてしまい、新しい苗を購入して植え直したのです。

↓手前8mほどに植え直し(6月24日)
【写真】サツマイモ植え直し

時期も遅くなってしまったので、新しく購入した芋苗「紫イモ:パープルスイートロード(紫甘王!)」を20本くらい。|

↓販売用POP
pop_パープルスイート

それと日照りに耐え、生命力強く生き残った「紅はるか」。
↓販売用POP
POP_紅はるか

パープルスイートは直売所しゃくなげ館に少しですが出せそうです。
紅はるかは収量極少で今年は自家用のみ。

今回の失敗の原因は、ネットで見た「萎れ苗が良い苗。活着がいい」という情報をよく咀嚼せずに採用したこと。
ネットで調べると色んな方法が出ていて、性格的に捻れている私は、他とは違う変わったことを採用しがち。

全ての作物についてですが、野菜の性質と栽培の基本を知ることが大切だと改めて思いました。
今、「栽培の基本の基本」を知らないし体験していないことが、私にとって最大のネックになっています。

(農業研修で「農作業」は習得できましたが、各作物の植物生理に基づいた「栽培技術」の習得までは至りませんでした。)

「自然農法」というスタンスを固持して、作物が欲するものを与えられないで秀品が少なく収量も低いのでは「農業」として経営を成り立たせるのは難しい。

1年間の農園の運営を通じて分かった、この大きな課題について考えているところです。
大切なことが分かるための、意義ある1年間だったと思っています。

以下、サツマイモの栽培について、これは基本だなと思ったネットの記事を引用します。

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 引用(その1)「サツマイモ雑学」

苗の観察
 サツマイモの根は2種類あります。

サツマイモの苗

 ひとつは苗の切り口から生えている細い根で、これを吸収根といいます。吸収根は水や肥料を吸い上げる役目をします。
 もうひとつは葉と茎を結ぶ葉柄の付け根(節)から生える太い根で、これを不定根といいます。この不定根が生長していもになります。定植は不定根がツノのように顔を出したころに行ないます。

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引用(その2)「【サツマイモの収量は挿苗直後に決まる】~良質・多収のためのサツマイモ作りとは?~」農業ビジネス 2001/10/01
 
 採苗後1~2日の苗を上手く挿苗して、葉を枯らさずに活着させると節から2本の肥大根が発生、そのままイモになる。4節埋めれば8個のイモが付く。このイモは挿苗後2ヶ月で50g、3ヶ月で100gとなる。4ヶ月では株当たり1.5kgを越えて10a当たりでは4tを越える。北海道のような寒冷地でもマルチ畦で6月上旬に挿苗すれば、10月上旬には3tは確実に収穫できる。
 

 ところが一般のサツマイモ栽培では、苗に付いている葉の大半を枯らしてしまっている畑が多い。葉が枯れるとその節から出た肥大根は吸収根になってしまい、イモになるのは先端近くの生きている葉の節の根だけで、それもかなり遅れる傾向がある。各節にきちんとイモの付いた株はほとんど見られず、株当たりのイモ数が2、3個だと500g前後の大イモになり、奇形や丸イモが多く、食用としては規格外になってしまう。

 苗の葉を枯らさずに活着させるには、適正な土壌水分で曇天時に植えるのが一番である。降雨時や降雨直後は水分過多、晴天時の午前中は葉の萎れが酷くてダメ、 やむを得ず晴天時に植えるときは午後遅めに、或いは遮光対策(徳島、香川の産地では藁や不織布をかけている)をする。4、5日で葉の萎れが無くなり、生育 (肥大根も)が始まる。挿苗1ヶ月後に苗の葉が生存していて大きくなっていれば、多収は間違いない。

 【育苗・定植のポイント】

  苗は節間の詰まった短めの苗を植える。植え方は斜め挿し、土壌水分で角度を変える。
 発根が早く、肥大根(イモになる根)になりやすいのは頂葉(展開葉)から数えて3~5節目である。これ以下の節は吸収根になりやすく、葉も枯れやすい。

 植える苗は数節で十分、長さが20cm以下の節間の詰まった苗がよい。
このような苗は種子イモを疎植にして肥料、とくに窒素を少な目に、灌水もほどほどにすればできる。一般には採苗数を増やすために窒素追肥と灌水を多めにしているが、良質・多収狙いでは苗床面積を増やしてでも良い苗を作るべきである。

  植え方は斜め挿しが効率が良く、活着も良い。土が乾き気味の時は45度、湿度が十分あるときは30度以下の浅植えにする。浅いほど地温が高く、空気(酸素)が多いので発根が早い。この土壌水分は作条・マルチ掛けを何時するかでほぼ決まる。降雨後の湿った時はダメで、やや乾き気味が良い。

【生育後半の窒素欠乏がイモを肥大させる】

   サツマイモは痩せた乾燥地原産の作物である。肥沃地では蔓ぼけになる。生育後半は葉の窒素レベルが低下して葉色が退緑、2日に1枚の出葉速度が低下して1 週間に1枚くらいになるのがよい。生育後半と言うのは4ヶ月収穫であれば2ヶ月後、5ヶ月収穫なら2月半後と言うことである。いつまでも青々した畑のイモ は未熟で太っていない。窒素施肥量をどの程度にして多収・良質を狙うかは、栽培する品種の耐肥性による。「ベニアズマ」のような耐肥性の強い育成品種はや や多窒素でも良いが、在来品種などは窒素減肥が良質・多収につながる。

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