第7回 体運動と経脈の対応(1)

 今回の東洋医学セミナーダイジェストでは、体運動と経脈の対応を取り上げ、竹下雅敏氏が提唱している「経脈操体法」を紹介します。



1.経脈操体法

「操体法」は故橋本敬三氏が提唱した、身体を動かして体の歪みをとる方法です。橋本氏の操法は、患者の身体を息を吐きながら動かし、その際抵抗を与え、瞬間脱力することに特徴があります。

 竹下雅敏氏は、身体の各関節の運動と経脈の対応を研究し、橋本氏の操体法を論理的に発展、完成させ、「経脈操体法」としてまとめました。
 「経脈操体法」の運動はシステマティック(系統的)に決まっており、表【経脈と運動の対応】のように、

 XY平面の運動は、太陰経脈と陽明経脈
 XZ平面の運動は、少陰経脈と太陽経脈
 YZ平面の運動は、厥陰経脈と少陽経脈

に作用します。






2.各関節の運動と呼吸と経脈

 上肢・下肢の各関節の運動と経脈は、表【 上肢・下肢関節の運動と活性化する経脈 】のように対応しています。
 各運動は、息を吸いながら動作すると太陽の十二経脈に、息を吐きながら動作すると月の十二経脈に作用します。
 右半身の運動は右半身の経脈に、左半身の運動は左半身の経脈に作用します。


【上肢・下肢関節の運動と活性化する経脈】
上肢
関節
運動
吸気
呼気
水平屈曲
(肺)
水平伸展
(大)
内旋
(肺)
外旋
(大)
屈曲
(心)
伸展
(小)
内転
(包)
外転
(三)
回内
(肺)
回外
(大)
屈曲
(心)
伸展
(小)
水平屈曲
(包)
水平伸展
(三)
内反
(肺)
外反
(大)
橈屈
(心)
尺屈
(小)
屈曲
(包)
伸展
(三)
下肢
関節
運動
吸気
呼気
水平屈曲
(脾)
水平伸展
(胃)
内旋
(脾)
外旋
(胃)
屈曲
(腎)
伸展
(膀)
内転
(肝)
外転
(胆)
回内
(脾)
回外
(胃)
伸展
(腎)
屈曲
(膀)
 
 
 
 
 
 
内転
(脾)
外転
(胃)
伸展
(腎)
屈曲
(膀)
内反
(肝)
外反
(胆)

注)大腸は大、小腸は小、膀胱は膀、心包は包、三焦は三と略記する。
注)(*)は月の十二経脈を表す。例えば、太陽の肺経脈は‘肺’、月の肺経脈は‘(肺)’と表記する。
注)太陽と月の両方の経脈を指す場合は‘[*]’と表記する。例えば、太陽の肺経と月の肺経の両方を示す場合‘[肺]’と表記する。
注)(心)は月の心経すなわち太陽の心包経。
注)(小)は月の小腸経すなわち太陽の三焦経。
注)(包)は月の心包経すなわち太陽の心経。
注)(三)は月の三焦経すなわち太陽の小腸経。



3.肺経・大腸経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
水平屈曲
(肺)
水平伸展
(大)
内旋
(肺)
外旋
(大)
回内
(肺)
回外
(大)
内反
(肺)
外反
(大)


4.胃経・脾経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
水平屈曲
(脾)
水平伸展
(胃)
内旋
(脾)
外旋
(胃)
回内
(脾)
回外
(胃)
内転
(脾)
外転
(胃)


5.心経・小腸経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
屈曲
(心)
伸展
(小)
屈曲
(心)
伸展
(小)
橈屈
(心)
尺屈
(小)
 


6.膀胱経・腎経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
屈曲
(腎)
伸展
(膀)
伸展
(腎)
屈曲
(膀)
伸展
(腎)
屈曲
(膀)
 


7.心包経・三焦経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
内転
(包)
外転
(三)
水平屈曲
(包)
水平伸展
(三)
屈曲
(包)
伸展
(三)
 


8.胆経・肝経に作用する運動

関節
運動
吸気
呼気
内転
(肝)
外転
(胆)
 
 
 
 
 
 
内反
(肝)
外反
(胆)