第2回 太陽の十二経脈

 中国医学の中心となる概念に、「正経十二経脈」という身体を流れる12種類の気のルートがあります。
 これまで一般には知られてこなかった、経脈の走向(気の流れる向き)の身体の左右、男女での違いについて、そして、時間(時刻)と気の流れの盛衰についての竹下雅敏氏の研究結果の一部を公開します。



1.気と経脈






 人間の体には、目には見えないエネルギーの通り道「経絡」があります。現代の中医学では、経絡があるとかないとか、議論がされています。もともと「気」は物質次元のものですが、波動が高いため現在の機械では計測できません。けれども、気を体感する能力のある人にすれば、それは歴然と存在しています。

 インドのヨーガではナディー(脈管)の数は72000あるとも伝えられていますが、その中で背骨づたいのナディーを特に重視しています。中医学とヨーガではその目的が違います。ヨーガはあくまで霊的な進化を目的としているのに対し、中医学はあくまで医学が目的であるため、取り扱うナディーが違ってきます。ヨーガや仙道で取り扱う背骨づたいの脈管は、中医学では奇経八脈に属しています。これは基本的に医学に使うものではありません。

 医学に使う脈管は正経十二経脈として知られています。正経十二経脈は肉体次元における人間の交感神経系に相当するものです。

 人間の体には、意識的に操作できる体性神経系と、無意識的に自然に働いている自律神経系があります。自律神経系は、夜になって眠くなるとかお腹がすいて胃液を分泌するなどといった、意識にかかわらず行われる身体機能を司っています。それは深い意識が行っているものであり、太陽や月の運行といった自然のリズムに支配されています。

注)「経絡」と「経脈」について
 経絡は、身体の縦方向と横方向の脈管すべてを含む用語です。
 経脈は、正経十二経脈のように身体の縦方向のながれの脈管をさす用語です。


2.正経十二経脈

  「正経十二経脈」は肉体次元における人間の交感神経系に相当するものです。

「正経十二経脈」は、その名前の通り気(プラーナ)が巡回する12の経脈からなっています。各経脈にはその経脈と関係の深い臓器の名前がついており、対応する臓器(肺経なら肺、大腸経なら大腸)が代表となる身体の働きを司っています。

 気は体内の肺経の起点から発し、【正経十二経脈の走行の順序】に示す順に巡回していきます。








3.男女の気の流れは鏡像






 正経十二経脈は、身体の右半身と左半身とで対になっています。そして、正経十二経脈の気の流れの向き(走向)は【男女の経脈の走向】に示すように、身体の左右で逆、更に男女で逆になっています。これを端的に言うと、

「男女で身体の気の流れは鏡像になっている」

といえます。男女が向かい合って立ったとき、その気の流れの向きは、鏡に映したようになるのです。
 このことは非常に重要で、鍼灸や整体、ヒーリング、ヨーガやその他の修行において、男性と女性では異なった方法が必要とされることを意味しています。


4.太陽の十二経脈と太陽の位置





 正経十二経脈は、時刻によってその気の流れが決まっています。

 時刻とは、本質的に「太陽の位置」のことです。すなわち正経十二経脈の気の流れの盛衰は太陽の位置によって支配され、上図の順に繰り返します。例えば7時から9時の間は、左半身の胃経と右半身の大腸経が活性化しています。そこで、正経十二経脈を「太陽の十二経脈」と呼ぶことにします。

 なお、この時刻は、その人が居る土地での太陽の南中時刻を12時とする時刻です。


5.太陽の十二経脈の走向








 太陽の十二経脈の走向は男女それぞれ、上図のようになっています。

 特定の病気には、その病気に対応する筋肉に強い凝りや硬結(こうけつ)が見られます。このような凝りや硬結は、その病気に関係する経脈線上の筋肉、例えば経筋上に出てきます。このことと病気の症状とから異常のある経脈をある程度推定することが出来ます。

 異常のある経脈を確定することが出来る場合には、その経脈の井穴(指先のツボ)に、正しく極性を合わせて磁石または色紙を貼ることにより、症状の改善を図ることが出来ます。
 例えば男性の左半身の肺経脈の場合、上の図から、左手の親指の爪の際から気が矢印の向きに放出していることが読みとれます。この場合、親指の際の経穴に、磁石のS極が皮膚に接するように(気の吸収の向きに)磁石を貼ります。ピップエレキバンは通常、皮膚に接する面はN極になっているので、磁石を裏返して貼ることになります。

 異常のある経脈を確定することが出来ない場合でも、強い凝りや硬結を見つけた場合には、愉気法、操体法、ヨーガ、鍼、灸、マッサージ等の方法で、凝りや硬結を取り除くことが症状の改善を図る上で、最も重要かつ効果的な方法です。


6.講座について

講座では次のことを学びます。

理論
・正経十二経脈のルートと気の流れの基本
・男女の経脈の走向
・太陽の位置に応じて活性化する経脈の順序(生体時計)
・太陽の十二経脈と自律神経系の対応

実習
・磁石を極性を合わせてツボに貼り、気の滞りを改善する方法
・太陽の十二経脈に気を通す印(手や肘の角度)