「悟り」と「解脱」の違い
今、精神世界の本がたくさん出ていますが、間違っているものが多いのが現状です。同じように見える本でも、レベル、内容に大きな違いがあります。たとえばチャネリングの本にしても、苦しんでいる人がその本のある一行に救われることがあります。それは素晴らしいことだし、よいことだと思いますが、時々それがゴールだと勘違いしてしまう人がいます。
ベンジャミン・クレームという人が、『マイトレーヤの使命』という本で、世界のイニシエートの霊的進化段階を数字で表しています。私が見たところ、この本の情報は非常に正確で、精度の高いものだと思います。進化段階に関しては幾人もの人に対して追試をしてみましたが、完璧に正しいものでした。
禅宗のお坊さんが修行して悟りを開きます。この悟りについて、「あるがまま」というキーワードがあるわけです。確かにそれは悟りです。間違いありません。しかし、実はこれは解脱ではなく、霊性の段階の最初のステップ、進化段階では1.0に相当します。解脱は5.0ですから、解脱ははるか彼方の段階です。そのことを知らないので、あるがままの悟りが解脱、涅槃だと勘違いする人が、禅のお坊さんの中にもたくさん出て来るのです。
家庭人でも霊的進化の道を歩める
クレームさんの情報では、人間は1.0の進化段階に到達するのに数十万回の転生を必要とし、その後2〜30回の転生を経て、5.0の解脱の段階に到達するのだそうです。また、ヒンドゥー教の聖典には、「知識の七つの段階」というものが書かれていて、これは進化の段階を示しています。トランス・ヒマラヤ密教に伝わるイニシエートの段階も完全に同じもので、最後の七番目がないだけです。
世界中のあらゆる修行法が、同じことを言っています。宗教は深いレベルではみな同じなのです。その文化圏において、わかりやすいやり方をとったのです。すべての宗教が解脱という同じ到達点を示している。しかし、多くの人が1.0の段階でとんでもない間違いをしてしまって、「私は仏陀の生まれ変わりである」とか「空海の生まれ変わりである」「最終解脱をした」とか、すごいことを言う人がたくさんいます。
大乗仏教の唯識派の教典を書いたアサンガ(無著)という人がいます。この人の進化段階は3.0です。神通力で兜率天(とそつてん)に昇り、弥勒菩薩(マイトレーヤ)に教えを受けて教典を書いたという伝説の持ち主です。クレームさんの情報によると、この3.0の段階にモーツァルト、ラファエロ、ルーベンスといった作曲家、画家がたくさんいます。でも彼らは修行していないでしょう。仏教では必死に修行して3.0、でも別の道があるのです。難行苦行ではなく、全く別の道が。本当に誠実に生きて、子どもを育てて、3.0に到達する人がいます。同じように4.0、5.0にも到達できるのです。
パラマハンサ・ヨガナンダの『あるヨギの自叙伝』という本の中に、ババジというマハー・アバターが出てきます。ババジは進化段階が10. 0を軽く越えている非常にレベルの高い伝説的なヨギです。ババジが弟子のラヒリ・マハサヤに語った言葉に次のものがあります。「おまえは彼ら(一般の求道者)にヨギの最高の境地に至る門が普通人にも開かれていることを、知らせなければならない。たとえ俗世間の中で生活していても、ヨギとして、いっさいの個人的な動機や執着を離れて自己の責任を忠実に果たす者は、確固たる悟りの道を歩むものだ」。
ババジが約束してるんですよ!ですからいろいろな修行という道もありますが、家庭人として誠実に生きていても霊的進化の道は歩めるのです。私としては(修行には)危険な道が多いので、みなさんに(家庭人として霊的進化を実現する)安全な道を歩いてもらいたいと思います。
(竹下雅敏)
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竹下雅敏
昭和34年12月生まれ。広島大学理学部卒。広島県在住。
昭和57年より、霊的探求を始める。昭和58年3月、アルル・ペルン・ジョーティ(至上の恩寵の光)を得、霊的覚醒に至る。現在、宗教、教育、医学などの幅広いテーマで講演活動を続けている。また、色の科学「ナディーチャート」の発明者でもある。
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【宗教が示す進化段階】
ヒンドゥー教「知識の七つの段階」
1.0 … 光明への発願
2.0 … 探求
3.0 … 繊細な心
4.0 … 自己実現
5.0 … 無執着
6.0 … 対象の無知覚
7.0 … 超越
トランス・ヒマラヤ密教「イニシエートの段階」
1.0 … キリストの誕生
2.0 … 洗礼
3.0 … 変容
4.0 … 磔刑
5.0 … 復活
6.0 … 昇天