【農業日記】エンドウの花と自家採種


春の人気野菜「スナップ・エンドウ」。
サヤごと食べられて甘くて美味しく、調理は茹でてよし炒めてよし、使いやすさ抜群です。

ハウスの中で育てている株に花が咲き始めました。

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本格収穫まであと1ヶ月くらいでしょうか。
楽しみです。

さて、エンドウと言えば遺伝の仕組みを明らかにした「メンデルの法則」が有名。

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メンデルの法則
出典)「メンデルの法則」たれぞう絵日記 2009/5/5

で、このように、メンデルはエンドウで交配の実験をしたんだから、エンドウは違う品種を近くに植えると交雑して親株と同じ形質の種が採れないとずっと思い込んでいました。

でも事実は全く逆なんです。

メンデルがなぜエンドウで遺伝の実験をしたかというと、エンドウは虫や風によって他の株と交配する心配がないからなんです。

出典)「遺伝の法則」理科総合B改訂版 啓林社

◆実験材料としてのエンドウ

 エンドウはおしべとめしべが竜骨弁という小さな花びらに包まれており,この中で自家受粉が行われる。
つぼみのうちに葯が割れやく(花粉の袋),開花前に柱頭は花粉におおわれる(マメ科植物に共通の特徴)ため,他からの花粉を受粉することはない。
また露地や植木鉢で簡単に栽培ができ,生育期間も比較的短い。
このような特徴に加えて,先にあげたように明確な対立形質がみられるため,エンドウはメンデルの交配実験に用いられたのである。

メンデルは受粉前に花びらを開いておしべを取り払い、他のおしべを使って受粉させることで、正確に遺伝の結果を調べることが出来たんです。

これを知ったとき、まさに目からウロコ。

実は去年の春に数品種のスナップエンドウを栽培した際、時々サヤに筋がある固いのが混じっていたので、種苗会社に「近くに違う品種のエンドウを栽培したら交配して実に影響することがあるんですか?」と聞くと「その心配はありません。ごくまれに品種改良で使ったサヤの固い親の形質が発現する株があるのです」との回答。これをきっかけに少し調べて「エンドウは自然状態で交雑しない」ことが分かったんです。

エンドウはたくさんの実が長い期間なるから自家採種が簡単。

今年は美味しかった品種から種を採ろうと思っています。

(因みに、1回の受粉作業で数個の種しか取れないので、コスト面から種苗会社のエンドウもF1ではなく固定種です。)