[明日うらしま]太平洋放射能汚染長期シュミレーション/ドイツ・キール海洋研究所


村岡です。

記事によると、放射能汚染は北半球の太平洋全域に広がって、排出された放射線値を根拠にして、事故から2年後には海水の汚染値は10ベクレル/立方メートル、10年後の汚染濃度が1から2ベクレル/立方メートルとのこと。

人が1日で呼吸する空気量は約10立方メートルなので、もしその空気中に10ベクレル/立方メートルあったら、1日で100ベクレルを取り込んで生きていくことになります。

このような海で暮らしている生き物には、逃げるところがないのです。

セシウムの海洋中の分布(wikipedia)

海洋中では水深約200 m付近にある水温躍層(温度変化の急激な変化点)より浅い海域に多く存在し、濃度は比較的均一である。つまり、水温躍層が一種のバリヤ的機能を果たしている。生物濃縮により魚食性の高い魚種での高い濃縮度を示すデータが得られている

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人類的犯罪フクシマ事故の太平洋放射能汚染長期シュミレーション/ドイツ・キール海洋研究所

転載元から抜粋)明日うらしま 2012/7/13

在ベルリンジャーナリスト・梶村太一郎の反核覚え書き

ドイツのキールの海洋研究所(DEOMAR)が先週の7月6日付けで発表した福島第一原子力発電所の事故による太平洋の海水放射能汚染の長期シュミレーションによる事故から16ヶ月後、すなわち現在の汚染の想定図です。

16ヶ月後

この研究は現在入手できる排出された放射線値を根拠に海水のセシウム137の 線量をシュミレーションしていますが、それによれば、事故から2年後には海水の汚染値は10ベキュレル/立法メートルまで希釈され、それからさらに4年か ら7年後には1から2ベキュレル/立法メートルまでに下がるが、それでも事故以前のおよそ2倍ほどの値であると予測しています。

10年後

しかし、実際に排出された 放射の物質の量が、2倍であればその2倍となり3倍であれば3倍となると研究者は述べています。

わたしのコメントですが、フクシマの4基の原発がこれまで大気中に排出した放射性物質の量はまだ確定しておらず、回収できていない冷却用汚染水がどれだけ海に直接放出されたかも不明です。

さらに現在もフクシマの高線量の環境汚染はとどまることなく継続しており、もし世界中 が危惧しているように、破損された原発の燃料プールの冷却に失敗したりすれば、太平洋の海水の高度な汚染とその拡散はこのシュミレーションに示されている ように、想像を超えるものとなるのは間違いないということです。